デザイン経営は、企業の意思決定の上流からデザイナーが参画し、企業の価値や技術を顧客ニーズにあわせて届ける経営手法です。
ん?わかりにくいでしょうか。
では、一般的な具体的例として2つのパターンをご覧ください。
パターンA
社内的に発言権も影響力も大きなA部長が言います。
A部長「若者ターゲットの●●ドリンクの新商品を作ろう!」
部下は心の中で
部下「今更●●ドリンク?どうなんだろう。若者が好むとは思えないけど・・・」
A部長「なあ、みんな。いいと思うだろ」
部下「そ、そうですね、悪くないと思います」
A部長「そうか。わかった。社長には私から話を通しておく」
パターンB
A部長「若者ターゲットの●●ドリンクの新商品を作ろう!」
デザイナーA「●●ドリンクですか。いいですね。若者ターゲットならその他にも何か候補はないですかね?」
部下A「バナナとか、若者に人気のグミをアイディアにした何か出来ませんかね?」
部下B「ダイエットに特化したドリンクなんかどうでしょう。」
デザイナーA「部長、そのあたりのアイディアを含め、情報集めてみましょうか」
A部長「そうだな、そうしましょう」
いかがでしょう。ほんの一例ですがデザイン経営のニュアンスが少しでもイメージ出来ましたでしょうか?
パターンAではいわゆる組織の一員として上司の私的で感覚的な意見にも「NO」が言いにくく
それがそのまま意思決定とされていく、という内容です。
一方、パターンBではデザイナーがファシリテーターとして参加します。
ファシリテーターとは会議や商談などでより良い結論を導き出すために役割を持っている議事進行役のような人物になります。
それにより、企業の重要な局面を客観的に整理し、自社では出にくい斬新かつ素朴な疑問が、物事の突破口に繋がる事も出てくる事もあります。
とはいえ、決裁者の「デザイン経営」に対する理解が必要不可欠になってきます。
様々な情報にアンテナを張り、「ビジネス」を興味を持ってインプットしている代表者様ばかりではありません。
ですから、私たちもこのように、本当に微力なのかも知れませんが
情報を発信し続ける啓蒙を行なっていければと思います。